イベントレポート2014.03.07
HTML5で変わるWeb制作の現場

HTML5で変わるWeb制作の現場

2/27(木)に「HTML5で変わるWeb制作の現場」をテーマにしたのBOHRミーティングを開催しました。

HTML5は、Web制作技術の枠にとどまらず、家電製品や家などのさまざまなモノがWebを介して繋がるための中核として大きな進化を遂げています。マイクロソフトやグーグル、アップルなどの大手IT企業をはじめ、大手家電メーカーや自動車メーカーもこれを推進しており、いま最も注目を集めている技術のひとつです。

今回は、日本マイクロソフト株式会社の春日井様をゲストにお招きし「HTML5とIE11とWindows8.1」というテーマでHTML5の特徴からマイクロソフト社のHTML5への取り組み方についてお話をしていただきました。

HTML5とIE11とWindows8.1

Webの世界で今起きていること

HTML5とIE11とWindows8.1

「今、Webを取り巻く環境には大きな変化が起きています。スマートフォンやタブレットなどのタッチデバイスが登場したことでWebの操作性が変わってきています。また、クラウドサービスが普及することで、オンライン上にデータを置いてどこでも使えるようになってきました」

すでに普及しているものからこれから登場するものまで様々なデバイスを挙げながら、Webを取り巻く環境やWebサービスの変化についてお話をしていただきました。従来の技術だけではユーザーのニーズを満たすサービスを提供することが難しくなっており、そうした中でHTML5は新しいWebの中核技術として注目されています。

HTML5の3本柱

それではHTML5は従来のHTMLに比べて何が優れているのでしょうか。春日井様はHTML5の大きな特長を3つ挙げてお話をしてくださいました。

「HTML5には3つの大きな特徴があります。まず、セマンテックの強化。Webサイトの情報が多様化していくなかで従来のHTMLでは情報の意味を正しく解釈して扱うことが難しくなっていました。しかし、HTML5では情報に意味を与える機能が充実しているので、HTML5が普及することでインターネット上のデータの分析やWebサービス開発がしやすくなることが期待されています。

次にブラウザの互換性。HTML5の開発には各ブラウザメーカーも協力しており、IE、Firefox、Google Chromeなど、どのブラウザでも正しく動くように設計されています。そのため今までのようにHTMLやCSSの解釈がブラウザによって異なるということはなくなっています。

最後はWebアプリケーションとしての動作させるための機能が充実している点です。これまでWebサイトは紙媒体の置き換え、つまりカタログのような役割が中心でした。しかし、タッチデバイスの登場によりインタラクティブ性が生まれ、さまざまな機能をもったアプリケーションとしての役割にシフトしてきています。HTML5はWebアプリケーションの中核技術となっており、産業界も注目しています」

Windowsとアプリケーション開発

つづいてWebアプリケーションの開発環境についてお話をしていただきました。

「アプリケーション開発をする場合、アンドロイドであればJava、iPhoneアプリであればObjective-Cといったプログラム言語の知識が必要で、これらはとても難易度の高い言語です。しかし、HTML5やJavaScriptはそれらのプログラムに比べれば習得が簡単なので、アプリケーション開発の敷居が低くなっています。Windows8.1にはHTML5やCSS3、JavaScriptなどのWeb技術を使ってアプリケーション開発ができる機能が用意されているので、ぜひアプリケーション開発にもチャレンジしてみてください」

高速化が進むIE11

最後にマイクロソフト社の最新製品であるIE11の特徴について伺いました。

「実はIE11は動作を高速化させることに力を注いで開発しており、とくにJavaScriptの動作はとても速いんです。また、WebGL、MPEG-DASH、Encrypted Media Extensions(EME)などのHTML5 APIにも対応しているので、こうした機能を使ったWebサイトを閲覧することもできます」

実際にWeb上で3Dグラフィックを表現するためのAPI「WebGL」を活用した3Dゲームの実演をしていただきましたが、Webページで動かしているとは思えないほど軽快な動きでした。

また、最近ではセキュリティへの関心が高まっていますが、IE11にはフィッシング詐欺サイトなどを特定し警告をしてくれるSmartScreenフィルターや、プライバシーを守るための追跡防止機能・拡張保護機能など、セキュリティ機能も充実したブラウザになっているようです。

実例でみるInternet of Things

Internet of Thingsとは?

Internet of Thingsとは?

後半はインターネット・アカデミーの講師が担当しました。まずはセッションのタイトルにもなっている「Internet of Things」についてお話をしました。

「HTML5の登場により、パソコンやスマートフォンなどのデバイスでWebサイトを表示するだけではなく、テレビやエアコンなどの家電製品や車、家といったさまざまなモノとWebを連動させることができるようになります。『Internet of Things(IoT)』という言葉を耳にする機会が増えてきましたが、これはモノのWeb、モノのインターネットといった意味で、これからのWebのあり方を表すキーワードとなっています」

HTML5でモノを動かす仕組み

Webとモノがつながるようになると、外出中にスマートフォンで家のエアコンを制御して帰宅前に室内の温度を快適にしておく、といったことができるようになります。こうした仕組みを実現するための技術や、すでに公開されている機能の実例を紹介しました。

「Javaというプログラム言語はパソコンだけではなく家電製品などの環境でも動かすことができるプログラムです。このJavaのプログラムを家電に組み込むことで温度調整や運転・停止などの制御をすることができます。Javaで家電を制御するための機能(オブジェクト)はすでにいくつか公開されています。そして、スマートフォンなどを通じて製品内にあるJavaプログラムに働きかけることで動作させることができるのですが、この部分の役割を担うのがHTML5やJavaScriptです。」

HTML5 API

「HTML5はさまざまな業界で注目されニーズの高い技術なのですが、これは使いこなせる人材が不足しており、アメリカにおいても2020年には100万人の技術者が不足すると予想されています。W3Cではこうした背景をうけてHTML5やJavaScriptの技術者を教育するための講座をつくりました。そして、日本においてはを2013年12月にインターネット・アカデミーと共同で『W3C公式HTML5講座』を開講しました」

講座の紹介をしたあとに、パソコンにつないだカメラを制御する「getUserMedia API」を使ったリアルタイムの映像配信や、デバイスの傾きを調べる「Orientation API」「Device motion」などを使いスマートフォンの角度によってデザインが変わるWebページなど、W3C公式HTML5講座で学ぶ機能を使ったデモンストレーションを行いました。

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