コラム2019.12.19
神奈川工科大学の講演を現場レポート!知っておくべきIoTとWebの最新技術

神奈川工科大学の講演を現場レポート!知っておくべきIoTとWebの最新技術

2019年11月25日、神奈川工科大学から講演のご依頼をいただき、インターネット・アカデミーのインストラクターである西川先生が講演を行いました。同大学でのインターネット・アカデミーの講演は今回で記念すべき10回目になります。

今回お招きいただいたのは、神奈川工科大学の創造工学部ホームエレクトロニクス開発学科の「ホームネットワーク」の講義です。同講義は、インターネット・アカデミーの顧問である一色正男教授が普段より教鞭を取っており、様々な企業の方をお招きして、各分野の専門家から学生が話を聞くという活動をされています。今回、西川先生が取り上げたテーマは「IoTとWebの最新技術」です。ホームエレクトロニクスと関係の深いIoTとWebをつなげることによって、私たちの生活にどんな変化が起きるのか、学生の皆さんに事例を交えながらお話しました。

それでは、当日の西川先生の講演をレポートします!

「IoTとWebの最新技術」

皆さんはスマートフォンをお持ちですか?

ほとんどの方がイエスと答えると思います。電話やメール、SNSなどを利用するために、今やスマートフォンはなくてはならない存在です。例えば、コンビニや交通機関でのキャッシュレス決済電子書籍の購読など、スマートフォンでできることはどんどん増えています。

さらに今では家電製品をスマートフォンで動かすことも可能です。これが皆さんご存じの「IoT」です。 IoTとは「Internet of Things」の頭文字を取った言葉です。日本語では一般的に「モノのインターネット」と呼ばれています。IoTを簡単に説明すると、「身の回りのあらゆるモノがインターネットにつながる」仕組みのことです。

朝寝坊をして、急いで飛び出したのはいいものの、「家の鍵を閉め忘れた!そういえば、エアコンの電源は切ったかな?」となったときに、スマートフォンで状況を確認してそのまま操作ができてしまえば、家の鍵を閉め忘れても電源を切り忘れても安心して出かけられます。また、家に帰ったときに必要な家電すべての電源が自動でついてくれたらとても便利ですよね。IoTはまさにそれらを実現する仕組みなわけです。

進化するグラフィック表現

では、このIoTと、もう一つのテーマである「Web」は、どのように関わっているのでしょうか。まずWebの最新技術をここで紹介します。

例えば「WebGL」という技術があります。今までWebと言えば平面的なビジュアル表現にとどまっていましたが、WebGLを活用することで、3Dデータを表現しやすくなりました。WebGLとは、Webブラウザで3次元コンピュータグラフィックスを表示させるための標準仕様のことです。

あるWebサイトでは、東京の電車を3Dモデルで表現し、実際のダイヤに合わせてサイトの地図上に電車の場所を表示させています。遅延している電車があれば、その遅延時間に合わせて電車の場所が変わります。このように、電車の発着時間が自動で更新されれば、遅延情報もサイトの更新を待たずに確認することができます。

また、Webでの表現は2Dでもわからないわけではありませんが、私たちは日々、立体的な世界の中で生活しています。つまり、ものが3Dで表されてかつ動くことによって、見ているユーザーによりリアルにイメージを持ってもらうことができるというメリットが生まれます。

これまで、3Dデータの通信にはその膨大なデータ量ゆえに時間がかかっていましたが、5Gの登場により、通信速度が格段に速くなることが予想されています。5Gとは2020年から実用化が検討されている次世代通信システムで、実効速度は現行の第4世代の約100倍とも言われています。そうなれば、よりきれいでデータ量の大きい画像のやり取りをすることが可能になります。

Web VR/ARの活用

3D表現を実現するWebGLとJavaScriptというプログラム言語を組み合わせると、「WebVR」や「WebAR」をつくることができます。VRとは、コンピューターの中で、現実に近い仮想空間を表現する技術のことです。また、ARとは「拡張現実」と呼ばれ、コンピューターを利用して、現実の風景に情報を重ね合わせて表示する技術のことです。WebVRとWebARは、その技術を専用のアプリなしにWebブラウザで使用することができます。

たとえば、家具を買うときに、家の寸法を細かく測って実店舗の商品と比較するのは大変です。そんなとき、WebVRやWebARがあれば、自分の部屋に家具を置いた状態を仮想現実内で試すことができます。自分の写真を撮影して腕時計を試しに付けてみたり、女性であればリップの色を試しに付けてみるなんてことができるWebサイトもあります。

ここまで出てきた、WebGL、WebVR/ARというキーワードには、すべて「Web」という言葉が付いています。なぜWebなのでしょうか。それは、これらの技術はすべてWebブラウザさえあれば誰でも利用することができるからです。

Webブラウザはどのスマートフォンにも必ず入っているものです。たとえば今まで挙げた事例がすべてアプリだったらどうしょう。ダウンロードをするのが億劫になってしまうかもしれません。しかし、Webであれば、ブラウザさえあればそのコンテンツを楽しむことができますし、気軽にSNSなどで共有することもできます。特定の環境ではなく、多くの人が平等に使えるように考えられているのがWebの特長とも言えるかもしれません。

まとめ

一昔前までは「見る」だけだったWebサイトも、今では「使う」という性質が強くなってきました。IoTでも特定のツールやアプリでしか操作できなければ、特定のユーザーしか使用することができないという状態が生まれてしまいます。Webブラウザと連携できるようになればあらゆる人がIoTの技術を使えるようになります。今回見ていただいたのはほんの一例ですが、IoTとWebは裏のシステムを動かす側と、ユーザーが操作をする側として密接に関わりを持っています

今、プログラムやハードウェアなどのバックエンドを学んでいる皆さんも、ユーザーの操作画面などのフロントエンドの仕組みやその活用を知っておくことで、新しい製品やサービスを生み出したり、今あるものをより良くしていくアイディアが浮かぶかもしれません。

今日の話を入り口に、ぜひWebの世界へ足を踏み入れてみてください。

神奈川工科大学:創造工学部ホームエレクトロニクス開発学科

https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/creative/homeElectronics/

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インターネット・アカデミー
BOHR編集部

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