Webディレクターに求められる8つの能力と、3つの心構え(2)

アートディレクションカンパニー
DONGURI
クリエイティブディレクター ミナベトモミ
Webプロデューサーコース卒
インターネット・アカデミーを卒業後、アートディレクションカンパニーDONGURIを立ち上げる。制作実績は「もてますカラ」のブランドマネージメントをはじめ、早稲田大学の学科サイト、個室サロンなど幅広く、デザイン性の高さやブランディングの提案力に定評がある。
こんにちは。卒業生のミナベトモミです。
今回のコラムは、前回に引き続き「Webディレクターに求められる8つの能力」について具体的にお話をしていこうと思います。
1.コンサルティング力
優れたコンサルタント程、あまり話さず相手の話をよく聞きます。どのような案件に関しても、まずは相手の戦略を理解しなければなりません。
求められているのは、あくまでクライアントの経営戦略に沿ったWebサイトであり、そこからはみ出してしまっていては、どんなアイディアも受け入れてもらえません。まずは理解を深めるために、ヒアリングをすることです。
しかし、目的を叶えるためにはどんなコンテンツをつくれば良いかをクライアントが理解していることは稀で、手段を取り間違えているケースが多くあります。そうした際に、相手の本当の目的を理解し、それを叶えるために最も効果的な方法を提案する必要があります。
相手が深層心理で1番求めているものを提案すること。もし、これを最初の段階でWebディレクターが失敗すれば、プロジェクトは確実に失敗に終わるでしょう。
Webディレクターには最も重要な能力と言えます。
2.マーケティングセンス・分析力
Webのプロジェクトには数値的な結果を求められるケースがほとんどで、結果を出すためにはマーケティングセンスはもちろん、分析力が必要となります。
Webマーケティング系のツールは数多く存在しますが、それを使うだけではなく数値の意味を理解して現状分析をする力が重要です。さらに、そこからどのようにコンテンツを改善すれば良いのかを考えていく必要があります。Webディレクターはプロジェクトを成功に導くために、常に戦略を考え続けなければなりません。
さらに、Web以外のマーケティング知識やセンスも持ち合わせたうえで、ブランド/プロモーション全体の戦略を理解し、他の4マス媒体とも連携して行く事が好ましいでしょう。
3.予算・タイムマネジメント

ディレクターには、与えられた予算内で可能な限りコストを抑えて自社の利益を上げつつ、工数をできる限り抑えて、余裕をもったプロジェクト運営を行うことが求められます。
クライアントに対して、コストオーバーによる追加予算や、日程延期の要請などを行うことはWebディレクター自身はもちろん、自社の信用を大きく失わせる行為であり、プロジェクトを代表する立場として行ってはならないことです。
また、無駄な工数をかければプロジェクトに関わる全てのスタッフに体力や精神的な負担もかかるでしょう。できるだけ無駄な仕事を減らし、スタッフを早く帰らせて心身ともに整えてもらうことが品質やスピードを高めることにもなり、良いスパイラルに繋がります。
また、Webディレクターには自社の利益を最大化することも求められています。どんなに話題性あるコンテンツをつくり数値的な結果を出せても、自社の利益をないがしろにしては優秀なディレクターとは言えないでしょう。
クライアント、スタッフ、自社にとって最も良いバランスを探ることがWebディレクターには求められています。
4.スタッフのマネジメント
プロジェクトに関わるスタッフにはそれぞれ適正があります。たとえ自分で考えた戦略がベストだと感じていても、スタッフの能力とのアンマッチにより、上手くいかないこともあります。
もちろん、予算が潤沢にあり、戦略に最もマッチングする人材をアサインできれば良いのですが、全てのプロジェクトにおいてそれが実現できるわけではありません。アサインできなかった場合は戦略を修正して、スタッフが力を発揮する形に変えたほうが結果が出やすくなります。
また、もしスタッフの能力が単純に足りない場合は叱咤激励して導き、それでも駄目なときは、そのスタッフを責めるのではなくWebディレクター自身が全て仕事をやり直してあげる。リーダーとしてそれ位の覚悟は必要でしょう。
もし、どうしてもスタッフがプロジェクトを行うのが無理だと思う場合、事前に適正あるスタッフに変えるように調整するか、それが不可能であれば、そのスタッフの行う仕事の難易度を下げられるように調整していく必要があるでしょう。
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