Web業界人コラム「Webディレクターに求められる3つの心構え(前半)」クリエイティブディレクター ミナベトモミ

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Webディレクターに求められる8つの能力と、3つの心構え(3)Webディレクターに求められる8つの能力と、3つの心構え(3)

アートディレクションカンパニー
DONGURI

クリエイティブディレクター ミナベトモミ
Webプロデューサーコース卒

インターネット・アカデミーを卒業後、アートディレクションカンパニーDONGURIを立ち上げる。制作実績は「もてますカラ」のブランドマネージメントをはじめ、早稲田大学の学科サイト、個室サロンなど幅広く、デザイン性の高さやブランディングの提案力に定評がある。

こんにちは。卒業生のミナベトモミです。

前回は「Webディレクターに求められる8つの能力」についてお話をしてきました。これらの能力を高めていけば、プロジェクトは自然と上手くいくはずです。とはいっても、理屈でわかっていても、具体的な局面ではどうすれば良いのか迷う事があると思います。

私の持論で恐縮ですが、仕事は人間同士で行うものなので、全ての問題はコミュニケーションの少なさが引き起こすものだと思います。私の実体験では、コミュニケーションが上手くいけば8割以上の問題は解決すると感じています。

少しでもノウハウとしてお役に立てればと思い、私が普段プロジェクトのコミュニケーションで心がけていることを紹介します。

クライアントを打ち負かさない。

私がまだキャリアをはじめたばかりの頃です。とあるショップのブランディングをした際に、コミュニケーションロスが原因でクライアントを不安にさせてしまい、多くのデザイン修正依頼を頂いた事がありました。

修正依頼の内容はクライアントと決めたコンセプトから大きく逸脱したものであったため、「修正を行うことはプラスにならず、このまま進めるべき」と私は主張し、無理矢理修正を撤回させてしまった事がありました。

しかし、プロジェクトが順調に進み最後の詰めを残すのみと思われたとき、クライアントから前回をさらに上回る修正を依頼され、今度はどんなにコミュニケーションを図ろうとしても覆る事はありませんでした。

その時の最大の失敗は、相手が不安に思っていた気持ちを解消せずに、相手の間違いを指摘し、言い負かしてしまったことです。その様な応対をすれば感情的なしこりが残り、必ずどこかのタイミングで反撃されてしまいます。

相手とのコミュニケーションで問題が起きたときの対処法は、言い負かすのではなく必ず相手の話を聞いて不安や不満をすべて取り除く。ある意味でカウンセラーになりきる必要があります。

気持ちを全て吐き出してもらえるまでこちらからの提案は受け付けてもらえる事はほとんど無いので、とにかく相手の気が済むまで、聞き役に徹することです。また、相手の間違いを指摘するのではなく、ヒアリングをしたうえで、必ずこちらの実力不足をお詫びすること。とにかく誠実さが重要です。

そうした後にはじめて相手は冷静になり、こちらの意見に耳を傾けてくれることが多いと感じています。

聞き役に徹することが上手くいけば感情のシコリが取れ、思った以上にアッサリとこちらの提案を受け入れてくださり、話がまとまるケースが多いように感じています。

また、仮に最終的にこちらの意図通りの方向になったとしても、相手が「自分の意図通りになった」というプラスの気持ちを持ってくれる事が交渉の場ではマストとなります。

試合に負けて、勝負に勝つという心構えが交渉では重要です。感情的になった方が交渉に負けるという気持ちを、常に持たなければなりません。